ドコモSMTBネット銀行、法人アプリでAIエージェント「NEOBANK ai BIZ」のベータテストを開始 画面を生成して取引を支援
旧住信SBIネット銀行のドコモSMTBネット銀行は10月29日、法人顧客向けのスマートフォンアプリに組み込んだAIエージェント「NEOBANK ai BIZ」のベータテストを始めたとプレスリリースで発表した。利用者が日常の言葉で質問や依頼を入力すると、AIエージェントが目的を理解し、取引や手続きに必要な情報と画面を示す仕組みだ。
同行はこのサービスの狙いを、メニューを探さなくて済む銀行体験と説明している。エージェントはジェネレーティブUIと呼ばれる技術を使い、決まったページに誘導するのではなく、依頼ごとに必要な画面を組み立てる。同行によると、法人専用アプリ上で自然言語の依頼に応じて画面を生成し、利用者の確認のもとで法人取引を実行できるAIエージェントの提供は邦銀初になる。これは10月23日時点の自社調べで、FAQ対応のチャットボットや社員向けの業務AIは対象外としている。
独自の機能として、直近の入出金明細をもとに資金の流れや残高の推移を分析し、資金繰りを支援する。将来的に資金不足が起きる可能性が予測される場合には、日々の入出金データをもとに借入条件を知らせる同行の融資商品「事業性融資dayta」を案内する。ただし同行は、AIが融資の審査や判断をするわけではなく、申し込みや審査は所定の手続きで行うと強調している。
実務への影響
ベータテストの対象は同行が案内する一部の法人顧客で、アプリのホーム画面下部にある募集から応募できる。国内ではエージェント型のサービスが広がっており、メタは「AIエージェント『Muse』を日本で提供開始し、メルカリやマネーフォワード ME、チケットぴあと連携」し、LINEヤフーは「無料の『Agent i Biz』」で中小事業者を狙う。消費者向けではアマゾンが「音声で注文や支払いまでこなすアレクサプラス」を投入した。今回の発表は、そこに銀行の事例を加える形となる。
中小企業にとって、資金不足を早めに知らせてくれるエージェントは役立つ可能性があるが、課題もある。同行はAIの回答の正確性や完全性は保証されないとし、取引に進む前に表示内容を確認するよう求めている。資金繰りの警告と融資の案内を組み合わせる以上、助言が営業に変わらないよう配慮も必要になる。
今後の焦点は、ベータテストから正式提供に移る時期、エージェントが自ら完了できる取引の範囲、そしてほかの国内銀行が法人向けエージェントで追随するかどうかだ。